津軽の一代様のお寺や神社の場所一覧表

生まれ年場所
子年生まれ多賀神社(清水観音堂)
丑年生まれ・寅年生まれ求聞寺
卯年生まれ最勝院または弘前天満宮
辰年生まれ・巳年生まれ橋雲寺
午年生まれ白山姫神社(袋観音堂)
未年生まれ・申年生まれ大円寺
酉年生まれ国上寺
戌年生まれ・亥年生まれ弘前八幡宮

生まれ年と一代様(守護神)一覧表

生まれ年一代様(守護神)
子年生まれ千手観世音菩薩
丑年生まれ・寅年生まれ虚空蔵菩薩
卯年生まれ文殊菩薩
辰年生まれ・巳年生まれ普賢菩薩
午年生まれ勢至菩薩
未年生まれ・申年生まれ大日如来
酉年生まれ不動明王
戌年生まれ・亥年生まれ八幡大菩薩・阿弥陀如来

子年生まれ 弘前市東目屋 多賀神社(清水観音堂)

弘前市の東目屋地区にある多賀神社が、子年生まれの一代様でお参りする神社です。

神社ですが、千手観世音菩薩を祀る観音霊場の札所になっています。

津軽三十三ヶ所観音霊場の第2番札所で、清水観音堂(きよみずかんのんどう)とも呼ばれます。

お堂までは階段が多く10分位は歩くことになるでしょう。冬のお参りは大変です。

しかし、お堂に着くとその苦労も吹っ飛びます。
お堂の横には湧き水が流れ出て、名前の通りの清水がコンコンと湧き出しています。
静かな空気と美しい清水が心を癒してくれます。

ねずみ年の一代様ということで多くの信仰者が訪れますが、混雑していることはあまりありません。静かな時間を過ごすことができます。

神社には駐車場はありませんので路上駐車することになります。
邪魔にならない場所を探す必要があります。

お参りに行くのに石段や上り坂をたくさん歩かなければいけませんが、その分静かな時間を楽しむことができます。
ぜひ一度訪れてみてください。

登り口の脇にある住宅の風除室で御守りを売っています。
津軽三十三観音霊場の第2番の御朱印も一緒に置いているので、墨書きは出来ませんが御朱印を押すこともできます。

近くに駐車場が広いコンビニがありますが、そこから歩きではちょっと遠いです。

丑年生まれ・寅年生まれ 弘前市百沢 求聞寺

弘前市百沢(旧岩木町)にある求聞寺が、丑年生まれ・寅年生まれの一代様でお参りするお寺です。

本尊は虚空蔵菩薩。
弘法大師空海が行ったという「虚空蔵求聞寺法」の本尊が虚空蔵菩薩です。
これを修法すると記憶力がよくなるというご利益があるそうで、詳細は以下のリンクで。

知恵得る努力の儀式 虚空蔵求聞持法 | ならはく教育普及室

津軽三十三ヶ所観音霊場の第3番札所、津軽弘法大師霊場第9番札所でもあります。

境内地には牛と虎の金属製の像があり、丑年生まれ・寅年生まれの一代様というのが分かります。

この丑と寅の像は、参拝者に手で撫でられるのか表面がつるつるになっています。
ぜひお参りしたら撫でておきたいものです。

参道からの突き当たりは観音様のお堂で、左側に曲がると本堂が建っています。
虚空蔵菩薩さまはこちらの本堂にお祀りされています。

境内には参拝客が多く訪れ、特にお正月の時期には多くの人で賑わいます。

お寺の駐車場がありますが、行く途中の橋が車幅1台分しかないので、すれ違い出来ません。

心配な人は、岩木山神社の広い駐車場に駐める方が安心です。

卯年生まれ 弘前市 最勝院または弘前天満宮

弘前天満宮

菅原道真、天神様を祀る神社の天満宮が、卯年生まれの一代様でお参りする神社です。。
津軽の人は神社でもお寺でも、あまり違いに気にせずお参りする風習があります。

卯年生まれの一代様の文殊菩薩は智慧の仏さま。天神様も学問の神様ということで一緒に拝まれていたのかなと思っていたら、どうやら歴史的に文殊菩薩が先にあったようです。

円覚寺と同じ修験道の大行院(だいぎょういん・だいこういん)がルーツのようです。

西茂森町の天満宮は、領内修験(山伏)の蝕頭を勤めてきた大行院のあったところです。
明治5年(1872)、修行廃止の命令が出て、大行院が廃止となり、急きょ愛宕山橋雲寺(岩木町)から菅原天神を移建して天満宮としたそうです。この時境内にあった岩木神社をも合祀し、天満宮は茂森町一帯の鎮守となり、今日に至っています。

天満宮|弘前市観光情報サイト きてみて、ひろさき。ここみて、弘前

明治四年修験の廃止により、 神道天満宮となる。 御祭神と本尊の文珠菩薩は代々大行院の代神として祀っていた御神体と、 種里にあった大浦家の先祖が祀っていた舘神、 慶長十五年信牧公の時弘前城に移し、 「その後慶長十五年、 信政公の命に依り植田村橋雲寺に移した天神さまを明治四年再び天満宮に移し祭った御神体を併せ祀っている。

青森県神社庁-神社紹介-天満宮

道路ちょっと狭いですし、一方通行の部分もあるので、土地勘が必要かもしれません。

駐車場はあります。

最勝院

弘前市内で五重塔のあるお寺の最勝院も、卯年生まれの一代様でお参りするお寺です。

津軽弘法大師霊場第1番札所です。

駐車場はあります。

駐車場への入口が、弘前高校とか大学病院のある方の道路じゃなくて、裏側の戸田うちわ餅店のある方の通りなので、初めて行く人は注意。

辰年生まれ・巳年生まれ 弘前市愛宕 橋雲寺

弘前市愛宕(旧岩木町)にある橋雲寺が、辰年生まれ・巳年生まれの一代様でお参りするお寺です。
津軽弘法大師霊場第8番札所です。

本尊は勝軍地蔵菩薩ですが、勝軍地蔵尊は普賢菩薩の生まれ変わりで、辰年生まれ・巳年生まれの一代守り本尊として信仰されています。

一代様でお参りするお寺は、愛宕神社ではなくて、橋雲寺の方です。

Googleマップでも、ネット上のいろんなブログでも、橋雲寺と愛宕神社がごちゃまぜに書かれていますが、橋雲寺と愛宕神社は違います。

橋雲寺から階段で繋がってる部分はお寺の境内地で、愛宕神社は弘前市細越竹原にあります。

明治初年の神仏分離で橋雲寺が別当であった勝軍地蔵信仰を変えなかったため、植田・細越両村民が新しい両村の鎮守として祀り、その後、寺でも愛宕山頂に奥の院として愛宕神社を復活させました。

愛宕神社 (弘前市細越竹原) : くぐる鳥居は鬼ばかり

こちらのブログにある、「その後に山頂に作られた奥の院」がGoogleマップには愛宕神社と載っていますが、正確にはそこもお寺の一部です。

橋雲寺は通称「あたごさん」と呼ばれるので、地元の人も神社とお寺とごちゃまぜに覚えているのかもしれません。

駐車場はありますが、雪道になると急坂のためにちょっと怖いです。

午年生まれ 黒石市 白山姫神社(袋観音堂)

黒石市袋にある白山姫神社が、午年生まれの一代様でお参りする神社です。

津軽三十三ヶ所観音霊場の第27番札所。馬頭観音です。
馬頭観音というのも午年にちなんでいるのかもしれません。

昔、円覚寺で津軽三十三ヶ所観音霊場の記事を書いたときに、神社から勢至観音と回答を得たことがありますので、午年生まれの一代様の勢至菩薩を祀っていると思われます。

(勢至菩薩と観世音菩薩は阿弥陀如来の脇侍で弥陀三尊と呼ばれます。
脇侍2体がまとまって勢至観世音菩薩という観音さまの信仰に変化することは全国的にも例はあることです。)

駐車場はありません。
道路に駐車することになります。

こちらはお堂まで階段、上り坂がたくさんあって上までのお参りは結構たいへん。

御守りは道路近くの銀杏の木のそばの小屋で売っています(その時期に行ったことないので不確かですが)

近くに、津軽伝承工芸館(こけし館)がありますが、500mほどの距離で、歩けなくはないけどちょっと遠いかなと思います。

未年生まれ・申年生まれ 大鰐町 大円寺

大鰐町蔵館にある大円寺が、未年生まれ・申年生まれの一代様でお参りするお寺です。
津軽弘法大師霊場第22番札所です。

「大鰐の大日様(だいにちさま)」と呼ばれるお寺で、祀っている大日様(本当は仏像は阿弥陀如来だけど)は国指定重要文化財です。

大鰐町では大きいお寺で、駐車場もあります。

酉年生まれ 平川市碇ヶ関 国上寺

平川市碇ヶ関古懸にある国上寺が、酉年生まれの一代様でお参りするお寺です。
津軽弘法大師霊場第23番札所です。

本尊は不動明王。
津軽の三不動のひとつで、「古懸のお不動様」と呼ばれます。
開基は古く、西暦610年ということです。

余談ですが、不動明王の縁日は毎月28日です。
不動明王は酉年の守り仏なので、毎月28日はケンタッキーの「とりの日パック」の日なのか。

と思ったら、「28」=「にわ」で「にわとり」の語呂合わせで日本養鶏協会などが制定した記念日が理由だそうです。

よく考えると、お不動様の熱心な信者には鶏肉を食べない人もいます。
縁日の28日が鶏肉のサービスデーとは偶然にしては皮肉な話ですね。

駐車場はあります。

古懸の集落の中にあるので、国道から橋を渡った先の丘の上になります。

戌年生まれ・亥年生まれ 弘前市 弘前八幡宮

弘前市八幡町にある弘前八幡宮が、戌年生まれ・亥年生まれの一代様でお参りする神社です。

戌年生まれ・亥年生まれの守護神は、八幡大菩薩と阿弥陀如来の2種類があります。

元々は八幡大菩薩が一代様でしたが、神仏分離令により八幡さまの本地仏である阿弥陀如来に変わったそうです。

津軽では古くからの風習で八幡さまをお参りします。

駐車場はあります。

弘前では比較的大きい神社です。

一代様・一代守り・八体仏信仰とは

一代守りの信仰は津軽地方に限らず、全国共通の信仰です。
津軽では「一代様」と呼ぶことが多いです。
他には、仙台では卦体神(けたいかみ)と呼ばれたりします。

「生まれ年の干支によって、その人の守り仏が決まるのでお参りしましょう」ということです。

十二支の分け方ですが、時計の0時を子にして時計回りに十二支を配置して、それを東西南北とそれぞれの間の八方向に分けると十二支が8区分されます。
8区分それぞれに仏様が付くので8種類になって、まとめて「八体仏」と言います。

つまり、北=「子」、北東=「丑寅」、東=「卯」、南東=「辰巳」、南=「午」、南西=「未申」、西=「酉」、北西=「戌亥」です。
四柱推命などの十二支が関係する占いでも使われる図になります。

この8区分にそれぞれの守り仏を担当させる考えがいつ頃出来たのかは分かっていませんが、このような信仰は江戸時代後期以降からみられるので、その頃の発祥かと推測されます。

津軽地方でも一部では盛んですが、まったく知らないという地域もあって、津軽全体の風習は言えません。

年代的にも現在の高齢者世代まででしたが、最近の若い人がネットで情報を得るようになって、住んでいる地域や家族からの教えがなくても興味を感じる人がいて、幅広い年代に知られるようになりました。

新年の一代様のお参り

一代様のお参りにはいつ行くのか?

どうやらお正月にお参りに行くらしいです。

私としては、こんな雪の多い時期に行かなくてもいいと思うのですが。

新年に一代様のお参りが多いと求聞寺さんから以前聞いたことがあります。

無事今年も年を越せたお礼と

来年の抱負を願い私も「一代様」に

参拝しようかと思っております。

(中略)

現在の津軽では、除夜の鐘が鳴ると各家で

家族それぞれの一代様へお参りしたり、

干支の絵馬を奉納したり、厄年に参拝するという

風習が定着しています。

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