写経の 願文の 書き方

この記事は
・写経用紙のお願い事欄の書き方
・お願い事を表す四文字熟語の例文
を書いています。

写経用紙のお願い事欄は何のためにあるのか

写経用紙
写経用紙を見ると最後の方に、願意(お願い事)を書く欄があります。
「為」や「右為」とある所です。

あなたが写経をしようと思い立ったのには、何かの叶えたいお願い事があったはずです。
応対する仏様が困ってしまわないように、そのお願い事をしっかりと書いておく必要があります。

神様仏様も万能だから言わなくても知ってるだろうという気持ちも分かりますが、神職・僧侶も祝詞や表白や祈願文といった褒め称え感謝し利益を願う文書を読み上げるのですから、お願い事は明らかにしたほうがよいのです。

ただし、お願い事が無くて写経をすること自体が目的のときは、この欄は書かなくてもよいことになっています。

写経のお願い事の書き方

大抵の写経用紙は、まず最初に般若心経、次にお願い事、次に住所氏名、最後に年月日という書式になっています。

お願い事は写経の本文にあたるお経の後に書きましょう。
行頭に「為(ため)」または「右為(みぎため)」と書いて、その下に願い事の四文字熟語を書きます。

これは漢文で書くなごりで、「為交通安全」と書けば、「交通安全のため」という意味になります。
「右為交通安全」と書けば「右、交通安全のため」ということで、この行の右側、つまり前の方に書いているお経は交通安全のために書いたという意味になります。

「為」の後に四文字熟語だけで、例えば「為病気平癒」でもいいですし、最後に「祈願」と付けて、「為病気平癒祈願」としてもいいです。

「為海上安全大漁満足」と複数の祈願をワンセットにして書いてもいいです。

写経用紙や手本によって、「為」であったり「右為」であったりと違いがありますが、どちらも同じ意味なので気にしなくて大丈夫です。

願い事を四文字熟語ではなく、日本語の口語体・話し方口調で書く時は、行頭の「為」は不要です。
「○○しますように」とか「○○のために」とか書けば良いです。

写経のお願い事は必ず四文字熟語で書かないといけないのか

一般的にお願い事は四文字熟語になっていたりします。
しかし、四文字熟語が分からない時は口語体でお願い事を書いても問題ありません。

「四文字熟語はあるけれど、自分的にはなんとなく違和感がある」と思った場合も、自分の心の中から湧き出た何かのサインと考えて、口語体で書きましょう。

例えば
「すてきな彼氏ができますように」
「○○さんと付き合えますように」
「為恋愛成就祈願」
「為良縁祈願」
このように言い方はいろいろあります。

人の数だけ祈願の数があります。
難しく考えずに、自分で気に入った表現で書いてみてください。

お願い事を表す四文字熟語の例文

メジャーな物からあんまり見ないものまで調べられる範囲でまとめてみました。
これらの言葉をヒントに言葉を組み合わせても結構です。

いろいろありすぎて選ぶのが難しいときは、とりあえず「心願成就」としておけば、何でも願い事ぜんぶが当てはまります。

■病気がなおる・健康に過ごす願い

・病気平癒(びょうきへいゆ)
・当病平癒(とうびょうへいゆ)
・病悩平癒(びょうのうへいゆ)
・病気全快(びょうきぜんかい)
・病気回復(びょうきかいふく)
・病魔退散(びょうまたいさん)
・悪病退散(あくびょうたいさん)
・悪疫退散(あくえきたいさん)
・厄疫退散(やくえきたいさん)
【意味】病気が治りますように。

・怪我平癒(けがへいゆ)
・傷病平癒(しょうびょうへいゆ)
【意味】ケガが治りますように。

・心病平癒(しんびょうへいゆ)
【意味】精神的な病気が治りますように。

・脳病平癒(のうびょうへいゆ)
【意味】脳、首から上に関する病気が治りますように。

・眼病平癒(がんびょうへいゆ)
【意味】目の病気が治りますように。

・癌封じ(がんふうじ)
【意味】ガンが治りますように。ガンになりませんように。

・ぼけ封じ(ぼけふうじ)
【意味】痴呆症が進みませんように。痴呆症になりませんように。

・虫封じ(むしふうじ)
【意味】子供の疳の虫が治まりますように。

・健康祈願(けんこうきがん)
・身体健全(しんたいけんぜん)
・身体堅固(しんたいけんご)
・身体健護(しんたいけんご)
・身体健康(しんたいけんこう)
・身体強健(しんたいきょうけん)
・身体健勝(しんたいけんしょう)
【意味】健康に過ごせますように。

・無病息災(むびょうそくさい)
【意味】病気になりませんように。

・心身健康(しんしんけんこう)
・心身健全(しんしんけんぜん)
・心身堅固(しんしんけんご)
・心身健護(しんしんけんご)
【意味】心身とも健康に過ごせますように。

・息災延命(そくさいえんめい)
・健康長寿(けんこうちょうじゅ)
・延命長寿(えんめいちょうじゅ)
・延命福寿(えんめいふくじゅ)
【意味】健康で長生きできますように。

■災難を除ける・福を呼ぶ願い

・交通安全(こうつうあんぜん)
【意味】(一般的には自動車の)交通事故にあいませんように。

・海上安全(かいじょうあんぜん)
【意味】海、船の事故にあいませんように。

・工事安全(こうじあんぜん)
【意味】工事中に事故が起きませんように。

・工場安全(こうじょうあんぜん)
【意味】工場で事故が起きませんように。

・作業安全(さぎょうあんぜん)
【意味】作業中に事故が起きませんように。

・航海安全(こうかいあんぜん)
・渡航安全(とこうあんぜん)
・航路安全(こうろあんぜん)
・航空安全(こうくうあんぜん)
【意味】無事に船や飛行機の航海を終えますように。

・道中安全(どうちゅうあんぜん)
・旅行安全(りょこうあんぜん)
【意味】無事に旅行から帰ってこれますように。

・怨敵退散(おんてきたいさん)
・怨敵降伏(おんてきごうぶく)
・怨敵調伏(おんてきちょうふく)
【意味】悪い敵を倒せますように。

・除災招福(じょさいしょうふく)
・攘災招福(じょうさいしょうふく)
・厄除開運(やくよけかいうん)
・厄除招福(やくよけしょうふく)
・開運厄除(かいうんやくよけ)
・厄難消除(やくなんしょうじょ)
・七難即滅七福即生(しちなんそくめつしちふくそくしょう)
・降伏一切大魔最勝成就(ごうぶくいっさいだいまさいしょうじょうじゅ)
【意味】災難を防いで幸福をもたらしますように。

・火難除(かなんよけ)
【意味】火事にあいませんように。

・水難除(すいなんよけ)
【意味】水難事故にあいませんように。

・怨賊難除(おんぞくなんよけ)
・盗難除(とうなんよけ)
【意味】泥棒に入られませんように。

・開運招福(かいうんしょうふく)
・開運満足(かいうんまんぞく)
・開運成就(かいうんじょうじゅ)
・福寿増長(ふくじゅぞうちょう)
【意味】運が開けて幸福になれますように。

・方難消除(ほうなんしょうじょ)
【意味】悪いとされた方角に関する災難がありませんように。

■家庭・家族・結婚・恋愛・妊娠出産に関する願い

・家内安全(かないあんぜん)
・家内安穏(かないあんのん)
・家庭円満(かていえんまん)
・家族円満(かぞくえんまん)
【意味】家族が平穏に暮らせますように。

・夫婦円満(ふうふえんまん)
【意味】夫婦仲良く暮らせますように。

・親子円満(おやこえんまん)
【意味】親子仲良く暮らせますように。

・安産祈願(あんざんきがん)
・安産成就(あんざんじょうじゅ)
【意味】無事に出産できますように。

・子宝祈願(こだからきがん)
・子宝成就(こだからじょうじゅ)
・懐妊祈願(かいにんきがん)
・懐妊成就(かいにんじょうじゅ)
・子授祈願(こさずけきがん)
・子授成就(こさずけじょうじゅ)
・求児安産(ぐじあんざん)
【意味】妊娠できますように。

・良縁祈願(りょうえんきがん)
・良縁吉祥(りょうえんきっしょう)
・良縁結願(りょうえんけちがん)
・良縁成就(りょうえんじょうじゅ)
・所縁吉祥(しょえんきっしょう)
・諸縁吉祥(しょえんきっしょう)
・恋愛成就(れんあいじょうじゅ)
【意味】(主に異性の)良い人との出会いがありますように。

■お金・仕事・勉強に関する願い

・金運向上(きんうんこうじょう)
・金運上昇(きんうんじょうしょう)
・金運円満(きんうんえんまん)
・福徳円満(ふくとくえんまん)
・財福円満(ざいふくえんまん)
【意味】お金が儲かりますように。

・商売繁盛(しょうばいはんじょう)
・商売繁昌(しょうばいはんじょう)
・事業回復(じぎょうかいふく)
・事業発展(じぎょうはってん)
・事業繁栄(じぎょうはんえい)
・事業盛大(じぎょうせいだい)
・社運繁栄(しゃうんはんえい)
・社運隆昌(しゃうんりゅうしょう)
・千客万来(せんきゃくばんらい)
・業績向上(ぎょうせきこうじょう)
【意味】仕事がうまくいきますように。

・社内安全(しゃないあんぜん)
※災難を除けるの項目も参照
【意味】仕事中の事故がないように。

・大漁満足(たいりょうまんぞく)
・大漁祈願(たいりょうきがん)
・漁業繁栄(ぎょぎょうはんえい)
【意味】漁業の事業が繁栄しますように。

・五穀豊穣(ごこくほうじょう)
・万年豊作(まんねんほうさく)
・豊作祈願(ほうさくきがん)
・農業繁栄(のうぎょうはんえい)
【意味】農業の事業が繁栄しますように。

・学業成就(がくぎょうじょうじゅ)
・学業優秀(がくぎょうゆうしゅう)
・成績向上(せいせきこうじょう)
【意味】勉強の成績が上がりますように。

・技芸上達(ぎげいじょうたつ)
・伎芸上達(ぎげいじょうたつ)
【意味】芸術芸能の技術が上達しますように。

・合格祈願(ごうかくきがん)
・○○大学入学試験合格祈願(○○だいがくにゅうがくしけんごうかくきがん)
・合格成就(ごうかくじょうじゅ)
・試験合格(しけんごうかく)
・受験合格(じゅけんごうかく)
・入学成就(にゅうがくじょうじゅ)
・就職成就(しゅうしょくじょうじゅ)
・就職試験合格(しゅうしょくしけんごうかく)
【意味】入学試験、就職試験に合格できますように。

・心願成就(しんがんじょうじゅ)
・大願成就(たいがんじょうじゅ)
・満願成就(まんがんじょうじゅ)
【意味】夢、願い事が叶いますように。

■供養、亡くなった人のため

・○○(苗字)家先祖代々霊位仏果菩提(○○けせんぞだいだいれいいぶっかぼだい)
・○○(苗字)家先祖代々霊位追善仏果菩提(○○けせんぞだいだいれいいついぜんぶっかぼだい)
・○○(苗字)家先祖代々霊位追福菩提(○○けせんぞだいだいれいいついふくぼだい)
・○○(苗字)家先祖代々霊位追善供養(○○けせんぞだいだいれいいついぜんくよう)
・○○(苗字)家先祖代々霊位追善回向(○○けせんぞだいだいれいいついぜんえこう)
【意味】先祖の供養をしたい。

・○○(戒名か俗名)霊位仏果菩提(○○れいいぶっかぼだい)
・○○(戒名か俗名)霊位追善仏果菩提(○○れいいついぜんぶっかぼだい)
・○○(戒名か俗名)霊位追福菩提(○○れいいついふくぼだい)
・○○(戒名か俗名)霊位追善供養(○○れいいついぜんくよう)
・○○(戒名か俗名)霊位追善回向(○○れいいついぜんえこう)
【意味】故人、ペットなどの供養をしたい。

・南無三界万霊(なむさんがいばんれい)
・南無三界万霊 南無法界万霊(なむさんがいばんれい なむほうかいばんれい)
・有縁無縁一切精霊追善仏果菩提(うえんむえんいっさいしょうりょうついぜんぶっかぼだい)
【意味】世の中のすべて霊を供養したい。

・南無過去精霊(なむかこしょうりょう)
【意味】(特定の人ではなく一般的に)亡くなった人の供養をしたい。

・水子供養(みずこくよう)
・水子霊位追善供養(みずこのれいいついぜんくよう)
【意味】死産児、流産児、堕胎児を供養したい。

・○○殉難者追善仏果菩提(○○じゅんなんしゃついぜんぶっかぼだい)
・○○物故者追善仏果菩提(○○ぶっこしゃついぜんぶっかぼだい)
【意味】○○という災害や紛争で命を落とした人の供養をしたい。

■感謝のことば

・感謝(かんしゃ)
・御礼(おんれい)
・報恩謝徳(ほうおんしゃとく)
【意味】感謝する

■その他の願い事

興隆仏法(こうりゅうぶっぽう)
【意味】仏教を広めたい

世界平和(せかいへいわ)
【意味】世界から戦争が無くなりますように。

新型コロナウイルス感染終息祈願
【意味】新型コロナウイルス感染拡大が終息してほしい