円覚寺の御朱印6種を紹介します

境内地内のお堂や仏様が1~5の御朱印です。
6の御朱印は追良瀬川上流の見入山観音堂の御朱印です。

諸堂の配置についてはこちらをご覧ください。
円覚寺お参りガイド 境内諸堂配置マップ

6種類の御朱印について、以下にそれぞれをご紹介します。

1、本堂・十一面観音

ご朱印・十一面観音
朱印中央:キャ(十一面観世音菩薩の種子)、
右:津軽観音霊場第十番、
左:春光山圓覚寺
墨書中央:オンロケイジンバラキリク(十一面観世音菩薩の御真言)、
右:奉拝 年月日、
左:津軽ふかうら圓覚寺

円覚寺のご本尊は、十一面観世音菩薩です。
津軽三十三ヶ所観音霊場の第十番札所になっています。

御本尊は厩戸皇子御作と伝えられる十一面観音像で、33年ごとの御開帳があります。
次の御開帳は2051年です。

十一面観音は船玉大明神の本地仏の1つで、船の神様として北前船の船乗りや商人からの信仰の対象になりました。
円覚寺の観音様も「澗口観音」と呼ばれ、日本海航行中の北前船を嵐の中より導き助けたと言い伝えられています。

ご朱印には「オンロケイジンバラキリク」という真言を書いています。
ちなみに、十一面観音にはもうひとつ「オンマカキャロニキャソワカ」という真言もあります。

2、薬師堂・薬師如来

ご朱印・薬師如来
朱印中央:ベイ(薬師如来の種子)、
右:国指定重要文化財 薬師堂内厨子、
左:春光山圓覚寺
墨書中央:オンコロコロセンダリマトウギソワカ(薬師如来の御真言)、
右:奉拝 年月日、
左:津軽 ふかうら 圓覚寺薬師堂

薬師堂の薬師如来です。

薬師堂内に納められている薬師堂内厨子は青森県で最古の建造物になり、国指定重要文化財です。
病気平癒のご利益のある薬師如来が祀られています。
材質はヒノキで、六百年前の桧の残り香のため「香堂」ともいう。

ご朱印には「オンコロコロセンダリマトウギソワカ」という真言を書いています。

3、金毘羅堂・金毘羅大権現

ご朱印・金毘羅大権現
朱印中央:ユ(金毘羅大権現(宮毘羅大将とした場合)の種子)、
右:海上安全祈願寺、
左:春光山圓覚寺
墨書中央:オンヤキシャジンバラソワカ(金毘羅大権現の御真言)、
右:奉拝 年月日、
左:津軽 ふかうら 澗口観音圓覚寺 金毘羅堂

江戸時代に建てられた金毘羅堂には金毘羅大権現が安置されています。
海上を航行する船の安全を見守る仏として、北前船商人の寄進により建立されました。

ご朱印には「オンヤキシャジンバラソワカ」という真言を書いています。

金毘羅大権現の御真言として、「オンクビラヤソワカ」と唱えられている寺院もあります。
これは、薬師如来十二神将の宮毘羅大将を本地仏としているためです。

朱印の種子も宮毘羅大将の種子である「ユ」を押印しています。
(他にも金毘羅大権現の種子を「カン」としている場合もあります。)

ご真言は、円覚寺では古来から宮毘羅大将は夜叉の神ということで、夜叉の総呪である「ノウマクサンマンダボダナンヤキシャジンバラソワカ」とお唱えしていました。
ご朱印でもそれにならって書いています。

ご朱印を書くにあたっては「ノウマクサンマンダボダナン」の部分を「オン」に書き換えていますが、
どちらも「帰依します」という意味で同じです。

4、稲荷堂・稲荷大明神

ご朱印・稲荷大明神
朱印中央:キリーク(如意輪観音の種子)、
右:五穀豊穣 金運成満、
左:春光山圓覚寺
墨書中央:オンバラダハンドメイウン(如意輪観音の御真言)、
右:奉拝 年月日、
左:津軽 ふかうら 圓覚寺鎮守 稲荷堂

金毘羅堂と棟続きになっている稲荷堂の稲荷大明神です。

円覚寺の鎮守として祀られています。

五穀豊穣の福徳をもたらす伏見稲荷の神様で、翁の姿をしている尊像です。

ご朱印には「オンバラダハンドメイウン」という真言を書いています。

稲荷大明神の本地仏は如意輪観世音菩薩です。
御朱印の種子は如意輪観音の種子、中央には墨書きで如意輪観音の御真言を書いています。

5、龍灯杉・大愛海龍王

ご朱印・大愛海龍王
朱印中央:三宝印、
右:津軽龍神霊場、
左:春光山圓覚寺
墨書中央:ノウマクサンマンダボダナンメイギャシャニエイソワカ(龍神の総呪の御真言)、
右:奉拝 年月日、
左:樹齢一千二百年 津軽 ふかうら 圓覚寺龍灯杉

円覚寺境内入り口にそびえる杉の巨木。
津軽龍神霊場札所。

樹齢は約1200年で、幹回り7m、樹高40m。

北前船が嵐に遭遇した時に船乗り達が神仏に一心に祈ると、円覚寺の杉の梢から一条の光が放たれ、その光を頼りに港へ流れ着いたといいます。
観音様が杉に龍神様を宿して命を救ったという言い伝えから、「龍灯杉」と呼ばれるようになりました。

中央の印は宝珠型の三宝印(さんぼういん、さんぽういん)を押しています。
ご祈祷札を見ると宝珠型の三宝印が押されていることが多いです。

御真言は龍神全般に唱えられる「ノウマクサンマンダボダナンメイギャシャニエイソワカ」と書いています。

6、見入山観音堂・如意輪観音

ご朱印・如意輪観音
朱印中央:キリーク タラーク タラーク(如意輪観音の種子)、
右:海上安全祈願寺、
左:春光山圓覚寺
墨書中央:オンハラダハンドメイウン(如意輪観音の御真言)、
右:奉拝 年月日、
左:津軽 おいらせ 見入山大悲閣

見入山大悲閣の如意輪観世音菩薩です。

津軽三十三ヶ所観音霊場の第九番札所になっています。

JR追良瀬駅から追良瀬川上流へ5.5kmの場所にある岩山の窪みに建てられた懸崖造りのお堂で、室町時代開山の修験道の行場。
円覚寺の行場になります。

津軽三十三観音巡礼の際には9番と10番の二つのご朱印を円覚寺で押します。
なお、十和田の奥入瀬渓流とは違うのでご注意下さい。

ご朱印には「オンハラダハンドメイウン」という真言を書いています。

稲荷大明神の所で、如意輪観音の御真言は「オンバラダハンドメイウン」だと書きましたが、円覚寺では昔から「オンハラダハンドメイウン」と書いていました。
日本語でも同じような音の言葉を違う漢字に変化させて書き換えることがありますが、サンスクリット語も日本で唱えられる時にそのような変化をすることがあります。
言語の意味的には違う言葉になってしまいますが、信仰の上の言葉なので言語学的な間違いよりも信仰のほうが勝り、今に伝えられているのです。
というわけで、円覚寺では見入山の如意輪観音ご朱印には「オンハラダハンドメイウン」と書いています。

種子は「キリーク」ですが、千手観音や阿弥陀如来も種子が同じ「キリーク」なので、区別するために「キリーク」の左右脇に「タラーク」「タラーク」を添えることがあります。

御朱印もそれにならってキリク・タラク・タラクの3字になっています。