普賢菩薩の真言の唱え方、梵字と意味

辰年生まれ・巳年生まれの人の守り本尊である普賢菩薩の御真言について、詳しくご紹介します。

普賢菩薩の真言の唱え方

Wikipediaによると以下の4つが普賢菩薩の御真言と書かれています。

  • オン・サンマヤ・サトバン
  • ノウマク・サマンダ・ボダナン・アン・アク・ソワカ
  • ノウマク・サマンダ・ボダナン・サマンタドギャタ・ベイラジャ・ダルマ・ネジャタ・マカ・マカ・ソワカ
  • オン・サンマンタバダラヤ・アク

一般的には「オン・サンマヤ・サトバン」が使われます。
これは、三昧耶戒真言と同じです。

梵字の御真言のローマ字表記は「oṃ samaya stvaṃ」なので、元の発音は「オーン サマヤ ストヴァン」となるのでしょうが、日本では日本語の発音に合った「オン・サンマヤ・サトバン」と唱えます。

普賢菩薩の梵字の真言

オン・サ・マ・ヤ・ストゥヴァンの5文字です。

サトバンの所が、さ+た+う゛ぁ+んをくっつけた文字になっています。
さ+た+う゛ぁの3つがくっつくことを、梵字悉曇では切り継ぎといいます。

本によっては、サトバンで1文字にしないで、サ・トゥヴァンと2文字にしているものもあります。
た+う゛ぁは切継。

普賢菩薩の真言の意味

こちらもWikipediaによると、「オーン。汝は三昧耶なり」という意味となっています。

オンは帰依という意味で大体の真言の頭に付く決まり文句です。
三昧耶(samaya)とは、サンスクリット語の「約束、契約」といった意味で、薩怛鑁(stvaṃ)とは「生仏不二」の意味です。

生仏不二は、我々衆生と仏は二つで無い、つまり、「あなたは仏と同じです」という意味です。
薩埵(sattva)=衆生、バンは金剛界大日如来を表す種子ということで、2つの言葉をくっつけて「サトバン」となります。

ですから、「オン・サンマヤ・サトバン」の意味は、「あなたと仏は根本的には同じであるということを約束します」という意味になります。

なお、サトバンは金剛薩埵の種子です。
金剛薩埵は真言宗では主人公と言ってもよい仏様で、そもそも、人が悟りを求めようと思った(これを「菩提心を起こす、発菩提心(ほつぼだいしん)」と言う)姿を現す仏様(菩薩)です。

菩提心を起こした仏教修行者を菩薩(菩提薩埵)といい、金剛薩埵はその象徴となる菩薩。
これから教えを実践して仏・如来となります。
なので、仏教修行者と仏は元を返せば同じ存在だったという意味で、「あなたと仏は根本的には同じである」というのです。

曼荼羅や教義などでは金剛薩埵と普賢菩薩がペアにされることも見られます。
これは普賢菩薩の普賢行願という「修行をしてみんなを救います」という10段階の誓いと、金剛薩埵の悟りを求める心を同一として、同体(見た目や名前は違うけど、実は同じ仏だった)されるようになりました。

普賢菩薩の真言で心の支えとなる力を得る

オン・サンマヤ・サトバン」が三昧耶戒の真言ということは、

三昧耶戒とは密教修行者として認められるための儀式です。
三昧耶戒は、色々な誓いを宣誓して、最後に契約の証として「オン・サンマヤ・サトバン」の真言が授けられます。

つまり、この真言を唱えることは、心の内に煩悩もたくさん有るけれど、悟りを求めたいと思う心も存在するということを、自分で気がつくきっかけとなるのです。