十一面観音の御真言 オンロケイジンバラキリク・ オンマカキャロニキャソワカ の意味とは

十一面観世音菩薩の御真言

円覚寺のご本尊、十一面観世音菩薩の御真言をご紹介します。
写経として梵字で御真言を書くこともあります。

十一面観世音菩薩の真言では2種類がよく知られています。
「オンロケイジンバラキリク(ソワカ)」と「オンマカキャロニキャソワカ」です。

それぞれの梵字(サンスクリット語)の意味を解説します。

オンロケイジンバラキリクの意味

(最後にソワカをつけて、オンロケイジンバラキリクソワカと唱える場合もあります。)
漢字で表すと

唵(おん)嚕鶏(ろけい)入縛羅(じばら)紇哩(きり)

それぞれの単語の意味は、

唵=帰命
嚕鶏=世間
入縛羅=光明
紇哩=(観音の所属する蓮花部を表す通種子キリーク)

意訳すると

「おお、世の中を照らす者よ」

オンロケイジンバラキリクの書き方

オンロケイジンバラキリクの書き方いろいろ

出典によっていろいろな書き方があります。
日本人が読む分には全部「オンロケイジンバラキリク」でいいですが、サンスクリット語では違う文字になっています。

オンロケイジンバラキリク

オンロケイジンバラキリク

オンロケイジンバラキリク

というふうに、いろいろに書かれています。

書写していく内に誤字が伝わったのだとすると、一番古いものが(言語の意味として)正しいということになります。

ところが宗教となると、ある時、頭の良いお坊さんが現れて「元々はこうだったけど、こう変えた方が分かりやすいし、むしろこの方が深イイな感じだからこれ推しで~。」とかなって、変わることがあります。

また単純に誤字ったのを後の人が深読みして意味を後付けした感じのものもあるかもしれません。

また、日本語には昔から「発音が同じだったら文字を変えてもその意味にする」というルールがあるので、文字が変わっていく傾向もあります。

そんなわけで、いろんな書き方を見ることができます。

円覚寺山門額に見るオンロケイジンバラキリク

ちなみに円覚寺の山門に掲げられている大正時代に作られた額にはこのように書かれています。

円覚寺山門の額

オンが省略されて、右から左へ書かれていますが、このように「ケイ」のところが違ったりしてます。読み方は「ロ ケイ ジンバ ラ キリク」です。
括弧で書いた異体字「ジンバ」と「キリーク」は異体字なので、これは間違いではありません。

オンロケイジンバラキリク

オンマカキャロニキャソワカの意味

漢字で表すと

唵(おん)摩訶(まか)迦嚕尼迦(きゃろにきゃ)娑縛訶(そはか)

それぞれの単語の意味は、

唵=帰命
摩訶=大
迦嚕尼迦=悲
娑縛訶=成就

意訳すると

「おお、あらゆる苦を抜く願いを成す者よ」

オンマカキャロニキャソワカの書き方

オンロケイジンバラキリクよりバリエーションは少なく、「キャ」が「キャー」になるかならないかの違いです。
オンマカキャロニキャソワカ

オンマカキャロニキャソワカ

オンマカキャロニキャソワカ