写経で文字を書き間違えたときの訂正方法のルール
写経をして一ヶ所だけ文字を書き間違えた時どうしたらよいでしょう?
一ヶ所の間違いのために最初からやり直しますか?
紙がたくさんあるなら新しい紙に書き始めてもいいでしょう。
でも、予備の紙が無い時や、紙が貴重だった昔だったらどうすればよいのでしょうか?
そんな時のために、写経の文字を書き間違えた時には文字を訂正するための一定のルールがあります。
この記事では、いくつかの書き間違いの例を挙げて解説します。
それでは、これらの写経の文字訂正のルールに従って修正してみましょう。
写経の誤字訂正 「文字を書き間違えて書いたとき」の文字を訂正する方法
文字を書いた直後に気がついた場合も、書き進んでしまってから気がついた場合も同じ要領で訂正します。
まず、間違えた文字の右に点を書きます。
そして、誤字の周りのスペースに余裕があれば、誤字の右側や下に小さく正しい文字を書きます。
もしもスペースが無ければ、写経の本文の欄外の上か下の空いているスペースに正しい文字を書きます。
欄外下に書いた場合、これから説明する「重複文字の修正」と見た目が同じになりますが、その時は文脈からどのような間違いだったかを判断します。
写経の脱字修正 「文字を抜かして書いたとき」の文字を挿入する方法
1、抜けた文字の前後の文字間の右側に点を書きます。
2、行末が1文字分余っているはずなので、そこに抜けた文字を書いて、右側に点を書いて上の脱字部分の目印と関係性を表示します。
行末余さずに書き進んでしまった時はこのようにします。
1、抜けた文字の前後の文字間の右側に点を書きます。
2、脱字した行の欄外上か下に抜けてしまった文字を書きます。
この時は、どこかの行で行末一文字分があくことになります。
または、一文字ずれたまま最後まで書くかです。
写経の文字重複の修正 「同じ文字を2回書いたとき」の重複文字を削除する方法
1、削除したい文字の右側に点を書きます。
2、重複した文字のために行末が1文字足りなくなっているはずなので、下の欄外に本来の行末になる文字を書きます。
写経で文字順入れ替え修正 「文字の順番を逆に書いたとき」の順番を入れ替える方法
漢文の返り点、レ点で訂正します。
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写経の脱行の修正 「行を抜かして書いたとき」の行を挿入する方法
抜けてしまった行の前後の行間の上の欄外部分に点を書きます。
新しい行の欄外上の部分に点を書いて、抜けてしまった行を書いていきます。
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写経で重複行の削除 「同じ行を2回書いたとき」の一行削除する方法
削除したい行の欄外上に点を書きます。
1行足りない状態なので最後の年月日や名前の部分の書き終わりが1行左になります。
紙のスペースが無い時は、年月日や名前の文字の大きさで調節するしかありません。
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新しく書き直したほうがいいボーダーラインは?写経1枚に誤字は何ヶ所まで大丈夫?
写経一巻に何十個も間違いがあったときも、訂正のルールに従って直せばいいの?
いやいや、それは新しく書き直した方がいいのかな?
さて、一体どうしたらいいのでしょうか。
写経には誤字が何ヶ所までOKという統一された線引きはありません。
つまり、すべて自己判断ということになります。
もしも、「一ヶ所でも間違えたら最初からやり直す」と自分で決めたらそれでもいいです。
また、「間違えた自分が今の自分だ」と受け止めるのであれば、修正して書き続けてもいいのです。
書き損じて捨てる写経用紙の捨て方はこちらの記事をご覧ください。